2018-11-04

03「庭」

植物への関心は高いほうだと思う。

育った家の庭にはシンボルツリーがあった。
家を建て替えた時も残したその木にはひっかき傷がある。

飼い猫が下りられなくなってつけたその傷を
帰省の度に記憶を辿り探し出して触れる度に
私は小学生の自分に会えるのだ。

香りがいいとかつぼみが愛らしいとか食べられるとか
どの季節にも五感すべて訴えかけてくれる庭は
一人遊びが大好きな私の特別な居場所であり、
小人や妖精などは残念ながら見える質ではなかったが
不思議とひとりではないような感覚だった。

庭が絶えず楽しみのある空間だったのは
庭師の父の想いや思いやりからだったと気付いたのは
5年前に今の家に越してからだ。

あれこれ考えず「好き」を植えてみたいのだが
さて日影がいいのか風通しはどうか。

やはり命ある生き物なのだな、と気付かされ
居心地よさそうに風にたなびく姿を想像すると
気付けば父に電話をかけていた。

約束を取り付けて庭木を一緒に選びに行き
はじめて自分で選んだ木を迎え入れる嬉しさったら!


愛しくてたまらない想いで接すると
心が通う気がしてくる。


私のように子供たちも
庭の草木に思い出を重ねるのだろうか。

そう考えると一層大切に思えて。
暮らしに恋して、庭に恋して、心地いい暮らしです。


家時間好き4児の母。台所育児エッセイ「暮らしに恋して」を執筆。子育てのゴールは親がいなくても生き抜く力を育むこと=自炊という信念。仕事は暮らし関連全般で多岐に渡るが一応料理家、「和食育こころ」主宰。誰でも簡単に作り置きできるおやつの著書もある。心地よく巡る暮らしの工夫をインスタグラムで毎日更新中。

インスタグラム 暮らしに恋して

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